以前に紹介した海外ドラマ「ROME」を最後まで見終えました。
歴史的な結末は知っているもののその結末をどう描くか、またヴォレヌスとプッロはどうなるのかと非常に楽しみでしたが、話の結末としては「まあこんなもんか」というのが正直な感想でした。
細部はともかく歴史の結末自体は変えていないため、とくにカタルシスがあるわけでもありません。このあたりは致し方ないところでしょう。
ふり返ってみて全体の感想としては、やはり舞台装置の演出はすばらしかったというべきでしょう。先に挙げた奴隷の表現から日常の慣習、着ている衣装に武器、はてはその当時の価値観までかなり時代考証が考えられていたと思います。
一方で脚本に関しては評価が難しい。
史実をベースにドラマとしてのフィクションを混ぜているのですが、フィクションのスパイスが効きすぎて人物像がイメージとかけ離れてしまっているのが非常に残念でした。
特にカエサルと青年オクタヴィウスあたりにその傾向が顕著で、カエサルは人物が暗すぎて魅力をあまり感じず、青年オクタヴィウスも冷たく演じすぎで、皇帝になって以後も彼を特徴づける「内に秘めた熱意」が感じられず、ただの冷血漢ぽくてイマイチでした。
その逆にアントニウスとクレオパトラは非常に良かったです。
アントニウスは最初から最後まで「粗暴な軍人」らしい振る舞いでイメージにぴったりでした。第2話の冒頭などいきなりアントニウスが羊飼いの少女を道草ついでに犯しているシーンからはじまり、「こいつならありえる」と爆笑したものです。(失礼)
その後もアティアやクレオパトラといった腹黒い女たちに利用されつつも、軍人としては恫喝や脅し文句による人身掌握で優秀なところを披露したりと抜群の存在感。私的には他の作品も含めてこれまでで最高のアントニウスでした。
そのアントニウスと運命を共にするクレオパトラも出色の出来。
クレオパトラというと絶世の美女というイメージがありますが、最近の研究ではそこまで容姿に優れてはいなかったというのが定説で、むしろ話術や雰囲気の演出で男を魅了するタイプだったのではといわれています。本作品のクレオパトラもどちらかというと美しさよりも頭脳で勝負するタイプ。カエサルの子供を確実に孕むように策謀したり、アントニウスを篭絡したりして自らの地位を固めていくさまはまさに真骨頂でしょう。クレオパトラ役の女優もエリザベス・テイラーのような絶世の美女タイプではない女優がチョイスされ、「美」よりも「知」が目立つ感じで非常にグッドでした。
人物の描写に関してはやはり賛否両論あるようで、ニコニコ動画のコメントをみてもそれが感じられます。特に塩野七生氏の「ローマ人の物語」の読者にはかなり違和感があると思います。(得にカエサル。)とはいえ古代ローマを描いた作品としては過去最高の出来だと思いますので、そのあたりを割り切って見ればかなり楽しめるかと。
レンタルDVDになってくれればいいのですが、今のところ日本語版のDVDも発売されてないようで残念。DVD化されたら間違いなく買うのですが・・・。
歴史的な結末は知っているもののその結末をどう描くか、またヴォレヌスとプッロはどうなるのかと非常に楽しみでしたが、話の結末としては「まあこんなもんか」というのが正直な感想でした。
細部はともかく歴史の結末自体は変えていないため、とくにカタルシスがあるわけでもありません。このあたりは致し方ないところでしょう。
ふり返ってみて全体の感想としては、やはり舞台装置の演出はすばらしかったというべきでしょう。先に挙げた奴隷の表現から日常の慣習、着ている衣装に武器、はてはその当時の価値観までかなり時代考証が考えられていたと思います。
一方で脚本に関しては評価が難しい。
史実をベースにドラマとしてのフィクションを混ぜているのですが、フィクションのスパイスが効きすぎて人物像がイメージとかけ離れてしまっているのが非常に残念でした。
特にカエサルと青年オクタヴィウスあたりにその傾向が顕著で、カエサルは人物が暗すぎて魅力をあまり感じず、青年オクタヴィウスも冷たく演じすぎで、皇帝になって以後も彼を特徴づける「内に秘めた熱意」が感じられず、ただの冷血漢ぽくてイマイチでした。
その逆にアントニウスとクレオパトラは非常に良かったです。
アントニウスは最初から最後まで「粗暴な軍人」らしい振る舞いでイメージにぴったりでした。第2話の冒頭などいきなりアントニウスが羊飼いの少女を道草ついでに犯しているシーンからはじまり、「こいつならありえる」と爆笑したものです。(失礼)
その後もアティアやクレオパトラといった腹黒い女たちに利用されつつも、軍人としては恫喝や脅し文句による人身掌握で優秀なところを披露したりと抜群の存在感。私的には他の作品も含めてこれまでで最高のアントニウスでした。
そのアントニウスと運命を共にするクレオパトラも出色の出来。
クレオパトラというと絶世の美女というイメージがありますが、最近の研究ではそこまで容姿に優れてはいなかったというのが定説で、むしろ話術や雰囲気の演出で男を魅了するタイプだったのではといわれています。本作品のクレオパトラもどちらかというと美しさよりも頭脳で勝負するタイプ。カエサルの子供を確実に孕むように策謀したり、アントニウスを篭絡したりして自らの地位を固めていくさまはまさに真骨頂でしょう。クレオパトラ役の女優もエリザベス・テイラーのような絶世の美女タイプではない女優がチョイスされ、「美」よりも「知」が目立つ感じで非常にグッドでした。
人物の描写に関してはやはり賛否両論あるようで、ニコニコ動画のコメントをみてもそれが感じられます。特に塩野七生氏の「ローマ人の物語」の読者にはかなり違和感があると思います。(得にカエサル。)とはいえ古代ローマを描いた作品としては過去最高の出来だと思いますので、そのあたりを割り切って見ればかなり楽しめるかと。
レンタルDVDになってくれればいいのですが、今のところ日本語版のDVDも発売されてないようで残念。DVD化されたら間違いなく買うのですが・・・。
コメント
1stシーズンだけなせいかクレオパトラは出番不足な感じがしましたが、アントニウスは同感です。カッコ良かったw
海外ドラマは登場人物が外国人というだけで非日常を感じられるので、ドラマとしてはすでに有利なのですが、それを差し引いても日本のドラマとは格の違いを見せ付けられますね。
まずビデオ撮影からフィルム撮影に戻してほしいですね。金かかるけど。これだけでだいぶ違う気がします。
(ビデオ撮影の時代劇のしょぼさときたら・・・。)