塩野七生著「神の代理人」を読んだ。
基本的に私は塩野氏の本はかなり好きである。
古代ローマ帝国を描いた「ローマ人の物語」も中世ヴェネツィア共和国を描いた「水の都の物語」も読んだ。有体に言って面白かった。
まず好きなのは文章である。
個人的な感想ではあるが、基本的にあまり文章的修辞・虚飾がなく簡潔で力強い文章で非常に読みやすい。もちろん文学の香りに欠けるとか、人間の内面描写に劣るという批判はあるかもしれないが、淡々と力強く出来事や現象を提示されるので一つ一つのパーツを理解しやすく、それによってより全体のテーマがはっきりと浮かび上がってくる。
なんというか無駄がない文章である。軍事オタク的に言うと旧日本海軍の重巡洋艦を髣髴させる。敵艦を撃破することにだけに集中し、居住性も防御力も航行性も投げ捨ててひたすらに攻撃力のみを追求した、飢えた狼のような精悍さを持つ文章である。
以前に友人に薦められて茅田砂湖氏の「デルフィニア戦記」を読んだが(5巻まで)、その文章の回りくどさに正直辟易してしまったことがある。面白くないわけではないが、どうにもよんでいてイライラするのである。うだうだと悩んでいたりして一向に話が進まない。(私が小野不由美作品に手が出せないのも同様の理由による)
もちろん作品のテーマも伝えたいことも何もかもが違うことは承知している。これは私が小説を読みたいのではなく歴史を読みたいからである。多くの人物の行動が複雑に絡んで大きな流れを作るという歴史小説が好きだからである。銀英伝が典型例だろうか。あの小説も簡略すぎるほどの平易な文章で綴られているが、それでも面白い。
誤解のないように言っておくと優越を言っているのではない。ファンの人には申し訳ないが、あくまで個人的な好き嫌いの意見である。
(ぶちゃけ、ペールゼン侯爵LOVEな私としては、ウォルやリィの葛藤なんかどうでもいいわけでして。ペールゼン侯爵の王位簒奪陰謀日記を淡々と描いてくれた方が面白いと思うわけでして。)
長くなったので次回へ続く・・・・・。
基本的に私は塩野氏の本はかなり好きである。
古代ローマ帝国を描いた「ローマ人の物語」も中世ヴェネツィア共和国を描いた「水の都の物語」も読んだ。有体に言って面白かった。
まず好きなのは文章である。
個人的な感想ではあるが、基本的にあまり文章的修辞・虚飾がなく簡潔で力強い文章で非常に読みやすい。もちろん文学の香りに欠けるとか、人間の内面描写に劣るという批判はあるかもしれないが、淡々と力強く出来事や現象を提示されるので一つ一つのパーツを理解しやすく、それによってより全体のテーマがはっきりと浮かび上がってくる。
なんというか無駄がない文章である。軍事オタク的に言うと旧日本海軍の重巡洋艦を髣髴させる。敵艦を撃破することにだけに集中し、居住性も防御力も航行性も投げ捨ててひたすらに攻撃力のみを追求した、飢えた狼のような精悍さを持つ文章である。
以前に友人に薦められて茅田砂湖氏の「デルフィニア戦記」を読んだが(5巻まで)、その文章の回りくどさに正直辟易してしまったことがある。面白くないわけではないが、どうにもよんでいてイライラするのである。うだうだと悩んでいたりして一向に話が進まない。(私が小野不由美作品に手が出せないのも同様の理由による)
もちろん作品のテーマも伝えたいことも何もかもが違うことは承知している。これは私が小説を読みたいのではなく歴史を読みたいからである。多くの人物の行動が複雑に絡んで大きな流れを作るという歴史小説が好きだからである。銀英伝が典型例だろうか。あの小説も簡略すぎるほどの平易な文章で綴られているが、それでも面白い。
誤解のないように言っておくと優越を言っているのではない。ファンの人には申し訳ないが、あくまで個人的な好き嫌いの意見である。
(ぶちゃけ、ペールゼン侯爵LOVEな私としては、ウォルやリィの葛藤なんかどうでもいいわけでして。ペールゼン侯爵の王位簒奪陰謀日記を淡々と描いてくれた方が面白いと思うわけでして。)
長くなったので次回へ続く・・・・・。
コメント
ペールゼン伯爵の陰謀日記・・・
正直言って、読んでみたいw
特に最近だが歴史小説や大河ドラマを見て面白いと思う自分に
驚いているので、探して読んでみる事にしてみるよ〜
「神の代理人」と「ローマ人の物語」は未読だから今度読んでみようかな
茅田砂湖の「デルフィニア戦記」に関しては、どっちかと言えば時代劇(水戸黄門とか鬼平とか)に近いノリで「お約束」を楽しむの話だと思う(まぁ私は好きだがw)