またしても

2008年5月6日
HOI2に引き続きパラドックス社が送り込んだ刺客。
それが、「クルセイダーキングス」だ。HOI2同様これも凶悪におもしろい。

ゲームはノルマンディー公ウィリアムがイングランド王についた1066年にはじまる。
この中世と呼ばれる時代のヨーロッパを戦争、外交、婚姻、暗殺などを駆使して勢力を広げるゲームである。フランスやドイツなどの大国でのプレイから田舎の一伯爵でもプレイできるが、パラドックスゲームの常でクリアと言う概念はなく、何を目標とするかはプレイヤーに委ねられる。
ビザンツ帝国で古代ローマの再現を目指してもいいし、スコットランドでブリテン島の制覇を目指しても良い。一地方の伯爵から王位への成り上がりを目標としてもおもしろい。

目標が自由なのとは対照的に、ゲームシステム自体は当時の中世の慣習に忠実で、極めて制約が多い。まず当時は封建制であることからフランス王やドイツ王でも自由に出来る直轄領(税収と軍隊編成が可能)は王国の一部でしかない。
たとえば1066年のフランスでは王の直轄地はパリとオルレアンの2州のみであり、そのほかの20数州はすべて封臣とよばれる大貴族の領地である。(実際の歴史でもフランス王の直轄地が増えたのは12世紀末のフィリップ2世尊厳王の時代である。)

フランスやドイツなど大国でのプレイはこれら大貴族の統率をどう進めるかがゲームの主題になってくる。封臣から年貢金をたくさん巻き上げたり、何度も出兵を命じたりしていると彼らの忠誠心はさがって言う事を聞かなくなり、挙句の果てには独立されてしまう。逆に小さな封臣でのプレイでは大国に臣従しながら、どうやって力を蓄えて領土を広げ、最終的に大国のくびきから独立するかがメインとなる。

パラドックスはスウェーデンのゲームメーカーだが、もともとボードゲームメーカーということもあって「時代状況を反映した制約(ルール)の中で、もがく楽しさ」を表現させたらピカイチである。
しかもこのクルセイダーキングスは1493年で終了だが、その後の時代もゲーム化されており、1493年から1789年までは「ヨーロッパユニバーサリス」、1789年から1914年までは「ヴィクトリア」、そして1936年スタートの「ハーツオブアイアン(HOI)」とゲームシステム自体はそれぞれ違うが、セーブデータが引き継げるようになっているのも魅力だ。
例えば田舎の一地方伯爵家を1066年から1955年まで900年かけて世界の覇者とする・・・なんてことも可能である。なんというロマンだろう。

ああ、マジでヨーロッパユニバーサリスも欲しくなってきた。
コーエーも見習おうな。最近のPCゲームじゃグラフィックとインターフェースデザイン以外はパラドックスの足元にも及ばないぞ。

4亀レビュー↓
http://www.4gamer.net/games/047/G004747/20080501050/

 

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

この日記について

日記内を検索