大航海時代3

ニコニコ動画で非常に懐かしい物を見つけた。

オフライン版大航海時代3に初期ロットのみ存在した交易品「奴隷」だ。交易品のアイコンが鉄球のついた足枷という、なんともやばい品物である。この「奴隷」という交易品、記憶ではかなり優秀な交易品であった。
購入できる量・利潤・重さ・容積、どれをとっても序盤では優秀で、悪名が増えるデメリットはありつつも、あまりの使いやすさにアフリカに行くたび購入していたことを思い出す。ところがこの交易品「奴隷」はすぐにゲームから除去されてしまった。理由は大体想像できるかと思う。もちろん4以降にも存在しない。

交易品「奴隷」に代表されるように大航海時代3はかなりリアル志向であった。あまりのストイックさにシリーズで唯一、家庭用ゲーム機に移植されなかったほどである。それなら駄作かというと全く違う。歴史シミュレーションゲームとしては破格の傑作である。

大航海時代3を傑作たらしめているのは、大航海時代当時の状況をうまくゲームルールに反映させていることだ。例えば、先述の奴隷交易は喜望峰以西のアフリカの交易品としては、金や象牙とは比べ物にならない優良交易品として設定してあった。これは史実である。DOLではダイヤが登場し、穀物海岸などと呼称されているが、ファンタジーもいいところである。他にも敵対国や異教国の港、さらに当時海禁政策中だった中国の港は寄港すら拒絶される。海賊にすら資材と砲弾を補給するDOLと比べると実にリアルな対応である。実例を挙げていくときりがないのでやめるが、歴史的事実とゲーム性のバランスがとにかくすばらしかった。

だから大航海時代4が出た時、正直がっかりした。3のリアル路線を放棄し、キャラゲーに大きく舵を切ったからだ。4は4で面白いのかもしれないが、3のような緻密なゲームのほうが私は好きである。

3の後継作が発売される可能性は限りなくゼロだろう。
出来るならば、XPか7に対応したバージョンを出してほしいものである。